会計監査人は誰を選任すべきなのか?

私は、一時期、某上場企業の財務経理部長をしていたのですが、いくつか貴重な経験もありました。そのひとつは、保有する投資有価証券にかかる会社の計算書類をチェックすることでした。その会社は、相当数の投資有価証券を保有していたので、当然に決算期が少し過ぎたころには、大量の株主招集通知が送られてきます。もちろん、私がすべての決算内容などを見切れるわけはないのですが、議決権行使はしなければいけないので、議案の内容や興味があった内容などについては、目を通すようにしていました。

その中のひとつが、会計監査人に関する事項でした。事業報告には、会計監査会として選任した監査法人もしくは公認会計士のほか、監査報酬なども開示しなければいけません。もちろん、上場企業は大手監査法人を選任していることが多数ですし、そのようなデータはインターネットで検索すればすぐにわかるものですが、興味深かったのは非上場企業です。あたりまえではあるのですが、大手監査法人以外にもたくさんの個人の会計士が、会社法の監査をしていました。

それと同時に、個人で会社法監査を引き受けている会計士のほうが、実際に監査報酬もかなり低めに設定しているのではないかとも思いました。実際に、個人の事務所の場合、システムや監査ツールなどに要する間接コストはかなり大手と比較しても低いはずです。また、福利厚生を充実しなけれないけない理由などないので、人件費負担なども低いはずで、そういった部分がリーズナブルな監査報酬につながっているのでしょう。

もちろん、親会社の意向などもあり、会社法監査の監査法人の選任は、自分たちで決めることはできないというような会社もあると思いますが、そうでなければ、わざわざ監査法人を監査人に選任する必要はないでしょう。ある程度、小規模な会社で、監査法人の選任にある程度意思決定権限あるような会社の場合は、こういった観点からも、個人の会計士を選任するというのは、当然の選択肢だと思います。

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