非上場会社の会計監査(ケースその1~会社法監査①)

会計監査って、上場企業だけの話でしょうと思われるかもしれませんが、非上場企業であっても、思いのほか外部の第三社に決算書の内容を保証してもらうという機会は多いものです。ここでは、非上場企業に監査が求められるケースについて、わかりやすく説明したいと思います。今回は、会社法監査について。

会社法では、資本金5億円以上の会社、もしくは負債額200億円以上の会社を、大会社として定義しています(会社法2条6号)。そして、大会社では会計監査人の設置が求められており(会社法328条)、株式会社の計算書類及びその附属明細書について監査証明を受ける必要があります(会社法396条)。

とはいえ、資本金1億円超になると、法人事業税の外形標準課税が対象になることから、税金負担が増え、手続も煩雑になることもあり、わざわざ資本金を5億円にしようとする会社自体も、少なくなってきたような気がします。にもかかわらず、資本金を5億円以上にしようとする会社の例としては

  • 対外的に、多額の資本金を有していることをアピールする必要がある会社
  • 法律上の規制があり、5億円以上の資本金を有することを求められている会社
  • 多数の株主から資金を調達したことで、結果的に資本金が5億円以上になってしまった会社
  • 減資することを、何らかの理由があってためらっている会社
などがあるのでしょうか。対外的に多額の資本金を有していることをアピールする必要がある会社としては、地方のインフラ事業会社系(空港・テレビ局・港湾設備・公共設備など)が多いような気がします。また、これらの会社は、地方自治体のみならず、地方の有力企業から出資を募っているケースもあり、結果的に資本金が5億円以上になってしまった会社もよくあります。法律上の規制から、5億円以上の資本金を有している会社には、金融系が多いでしょうか。

これらの会社の会計監査人を誰が務めているかというのはいろいろです。まず、上場企業の連結子会社になっている会社は、大手監査法人が務めているケースが多いです。意外なのは、外資系金融会社でしょうか。中小監査法人が務めているケースもよく見かけました。そして、地方のインフラ系事業会社については、かなり個人の会計士が務めているケースが多かったような気がします。いずれにしても、大手監査法人に監査をしてもらうことが必ずしも必要とされないことが、株主サイドから確認できる場合や、株主から懸念を示されないことが明らかである場合、多くの大会社が中小法人や個人を会計監査人に選任していると思います。

ただ、あたりまえではあるのですが、会計監査人の変更は慎重に進める必要があります。上場企業ではなおさらで、前任の監査人には、その旨まったく話をせずに、変更するときは突然に告知するのが普通です。監査報酬で折り合いがあわず、会計監査人の変更を検討している会社というのも多いですが、やはり、変更する際には、見積りをもらう時期も含め、慎重に考えたいものです。

(リンク)

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