USCPA 申請手続の中で

現在、ワシントン州のUSCPAライセンスの申請手続を進めています。アメリカでは、会計士資格を申請する場合、一定の学歴要件を満たす必要がありますが、その要件が週ごとに異なります。私は、工学部出身のため、経済学や会計学の単位を大学在籍時に取得していなかったので、予備校の大学単位取得プログラムを利用して、管理会計やコーポレートファイナンス、アメリカの公会計などの単位を取得しました。さすがに、日本の公認会計士資格を取得していることもあり、単位の取得自体は難しくなかったのですが、何しろお金がかかる。。。1科目(3単位)あたり、300ドルはかかっており、10科目以上は取得したので、3000ドル以上は単位取得のために費やしたでしょうか。。。これとは別に、受験料や予備校の授業料などもかかっているので、優に10000ドル以上は費やしているはずです。もちろん、監査法人などで働いていれば、これだけの支出をすることはそれほど苦ではないと思いますが、大学生や若いビジネスマンがこれと同じ出費をすることは並大抵のことではないでしょう。やはり、資格取得商売はビジネスなのだなと思います。

それは、さておき、ワシントン州でライセンス申請をする場合、Ethicsに関する単位を事前に取得することが求められています。具体的には、AICPAが指定するテキスト(ちなみに198ドル!)を購入、そしてオンラインで講義を受講して、試験を受験。90%以上のスコアをとることが求められているのですが、CPE(会計士資格を維持するのに必要な単位)が8.5単位も付与されることもあり、かなりボリュームがあります。知らない人も多いと思いますが、日本でCPEを1単位ゲットするには、1時間の講義を受けなければいけないので、それだけでこの単位が非常に重い(≒8.5時間は勉強しなければいけない)ことは、業界人であれば、わかると思います。

それとは別に思ったことは、USCPAがEthics(倫理感)を持つということに対して非常に重きを置いているなということ。日本の公認会計士資格も同じような講義はありますが、これほどまでにボリュームのあるものはありませんでした。恥ずかしながら、私自身、公認会計士業界や税理士業界からしばらく離れていたこともあり、この手の倫理観を持つということが当たり前であることを忘れてしまっていた感もあったのですが、8.5時間にも及ぶ英語の講義を受けながら、改めて倫理観の重要性を認識する次第です。

USCPAの試験は、それほど難しくないと言われている傾向もありますが、メンバーに対して倫理観を強く持つように求める傾向は、間違いなく日本よりも高いような気がします。