在庫横流しによる着服不正

銅材横流し、6億円着服か 容疑の寺崎電気元社員逮捕 (日経)

在庫横流しにより、従業員が逮捕された事例。実際に行われた不正は2年前になります。この手の事件は、実際に不正が行われてから、発覚し、従業員が逮捕されるまで時間がかかることが多いです。しっかりした証拠を固めるまでは、なかなか逮捕に至らないのが理由のようです。また、着服額すべてについて証拠をとるのが難しいというのが実際のところです。本事件でも、着服額は6億円以上にのぼるようですが、逮捕容疑となった事案については、あくまでも1120万円の案件が挙げられています。

不正を行った社員は、銅材をスクラップ名目で横流しして売却費を着服したとのこと。容疑者は同社の工場で銅材の発注や在庫管理を任されており、ある程度の自由裁量をもって、在庫の処分ができたということなのでしょう。

処理業者には「銅材が余った」として現金払いを条件に売却を持ちかけ、銅材を使用したかのように在庫の帳尻も合わせていたとのこと。まあ、上場企業で現金払いを条件とした取引を持ちかけられたら、不正の臭いはぷんぷんするような感じはしますよね。処理業者が、現金での売却取引の領収書を取り寄せたことで発覚したようですが、今まで容疑者は領収書を自ら発行していたのでしょうかね。

常識ではありますが、こういった在庫管理者に、ブランクの領収書などは持たせてはいけません。もちろん、この会社もそのようなことはしていなかったと思いますが、中小企業ではそういったような会社もまだまだ多いと思われるので、気をつけたいところです。

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