監査法人の人手不足深刻

監査法人の人手不足深刻~東芝の不正会計後、業務増大 待遇、海外に見劣り(日経)

私のように大手監査法人を退職してしまった人間は、外野の人間なので、いろいろとしたり顔で批評めいたことを言ってしまう傾向があるのですが、もはや、対岸の火事ではないのかなという気もします…

日本の公認会計士は、パートナー1500万、米英は1億円との記事内容もありますが、そもそも海外と日本では、監査法人の構成メンバーが違う。シンガポールに行ってびっくりしましたが、海外では資格を持たないペーペーの若者がスタッフとして働いています。給料もそんなに高くない。こういうペーペーのスタッフを使って、海外の監査チームは実作業が行われている。つまり、レバレッジが効いているんですよ。安いスタッフいっぱい使って、トップは稼ぎまくる。少ない資本で、大きな結果を出す。そんな感じです。でも、日本の監査法人はそうじゃない。そもそも、公認会計士2次試験に合格しないと、監査法人に入れない。この辺りから変えていかないと、おそらく日本の監査法人は、組織として持たないのではないかなと思います。

USCPAの採用もしかり。日本の公認会計士は、USCPA資格者を軽視する傾向がありますが、英語を母国語として育ってこなかった人間が、USCPAをとるって結構大変です。つまり、日本人のUSCPAって、巷で言うほど優秀でないということもない(確かに、優秀じゃない人もたくさんいるんですが)。でも、こういったUSCPAをうま~く使わないと、もう監査法人は持たないでしょうね。

たぶん、日商簿記2級を持っていれば、監査法人に入所できるような時代が来てしまうような気もします。でも、我々のような外野の会計士は、だからと言って、「今の若い連中は…」「今の監査法人は…」などと絶対に言うべきではない。今、我々の業界は変革が求められているような気がします。とはいえ、大手監査法人だけで変革はできないと思うんですけどね。なんて、外野の会計士は言ってはいけないのかもしれないですね…