外資系企業の監査は誰に依頼するべきなのか?

ここまで、外資系企業の監査業務についてお話させていただきました。

(参考)
(1) 外資系企業が監査業務を依頼するケース
(2) 会計監査が求められない子会社は?
(3) 外資系企業の監査報酬が高額な理由

それでは、一般的にそれほど規模が大きくない外資系企業の場合、誰に監査業務を依頼するべきなのでしょうか?

相対的に重要性が低い子会社の場合、親会社の監査人との間で、頻繁にコミュニケーションを行うことはありません。情報交換はメールで行われるのが通常で、テレビ会議などもそれほど多く行われません。このような会社の場合、コストの高い大手監査法人を指名する必要性は必ずしもありません。親会社側からしても、わざわざコストの高い大手法人に依頼をしなかったとしても、特に問題とされないのが普通です。

また、同じグループ法人であっても、個人会計士であっても、親会社の監査人から見れば、赤の他人であるため、求められる監査手続に変わりはありません。インストラクションに従って行われる監査手続は定型的なものであり、英語に通じた個人の会計士が実施すれば、クオリティーに差異が生じることもありません。むしろ、少人数で実施する個人会計事務所のほうが、工数も少なくなり、子会社からすれば、コスト面でもメリットを享受できるはずです。

なお、連結子会社の規模が小さい場合、大手法人に監査を依頼しても、経験豊富なスタッフは大企業に配属され、経験の浅いスタッフがアサインされることはめずらしくありません。高い報酬を請求される割には、対応が良くないこともありえます。このようなことを考えると、規模がそれほど大きくない外資系企業は、中小の監査事務所や個人の公認会計士に依頼することを積極的に検討すべきだと考えます。

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