外資系企業と内部監査

海外企業や日本の外資系企業で働いて、初めてわかったようなことはたくさんありましたが、その中のひとつが、外国人のCPA資格に対する信頼性でした。その反対に、CPA資格を持たないアカウンタントは、信頼性が著しく低い。これは、海外のCPA資格がそれほど難しいものではないことに起因しているのかもしれません。

だからなのか、外国人が日本の財務経理部のスタッフを見回したときに、CPA資格保有者が少ないという状況を見て、それだけで相当にレベルが低いとみなしてしまうことは多々ありました。まあ、そもそも日本のCPA資格が難しすぎるがゆえに、そんな高スペックな人たちを雇用できる余裕がある会社なんて、日本にはほとんどないんですが。。。ということを考えると、外国人から見れば、内部監査スタッフがCPA資格を持っていないというのは、それだけでもう監査の信頼性が損なわれていると思ってしまっても、不思議じゃないんですね。

実際、私はそういう場面をたくさん見てきました。内部監査人の監査能力を見る際には、まずその人の保有資格を見る。だから、外国人からしたら、たとえ業務経験があっても、内部監査人資格やCPA資格を持っていなければ、内部監査人としての資質がないと判断します。日本企業の場合は、社長が内部監査人に求めるものって、いろいろです。私が監査法人にいたとき、ある日本人の社長は、「内部監査には、社内のダメなところを指摘してもらわなくてもいいと思っている。むしろ、現場の不満を吸収して、私のところに持ってきてほしい。」とハッキリ言っていました。海外であれば、ありえません。

なので、海外の親会社が内部監査を行う際に、日本の状況を見るとたいてい驚きます。そして、海外では、内部監査を監査法人などに外注するということは、日常茶飯事のように行われています。無資格の人間に監査をまかせるよりも、そのほうが効率的で、監査も有効だろ。という感覚です。

だから、日本ではあり得ないと思われる、内部監査の外注ですが、外資系企業であれば、それほど珍しいことでもありません。日本の公認会計士が、海外親会社もしくは日本子会社の依頼を受けて、スタッフメンバーとして動いたり、インストラクションを受けて監査手続を行うということは普通です。今まで、そのような状況に遭遇したり、海外親会社の内部監査に苦労されたことのある担当者の方は、ぜひ一度、こういった手続を外注するということも考えるべきだと思います。

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