決算短信・説明資料(英語版)の作成

上場して1~2年目くらいは、そういった作業を考える必要はないのかもしれませんが、外国人投資家が株主として関与してくるようになると、必ず出てくる作業が、英語版資料の作成です。具体的には、四半期ごとに、決算短信を開示し、決算説明資料を英語で作成することになります。

翻訳サイトなどのツールが広まって、外国語がわからなくても、外国語で記載されているホームページの内容をおおまかに把握できるようになったのは便利ですよね。ただ、皆さんも経験はあると思いますが、外国語で記載されている内容を、ツールを使って日本語で翻訳した際、不思議な言い回しの日本語になっていることはめずらしくありません。

あたりまえですが、決算短信や決算説明資料の英訳版はそのような対応は許されません。正しい会計用語・ビジネス用語を使って英訳できなければ、決算の内容を正しく伝えることはできません。また、私見になりますが、決算短信や決算説明資料の英訳の際に必要な技術というのは、意訳であると思っています。日本語→英語、もしくは英語→日本語の翻訳をする際に、一字一句正確に翻訳しようとすると、まったく意味が通じないということは多々あります。文意を推測し(もしくは、クライアントに確認し)、その文意を損ねない範囲で翻訳をする。そういった技術が決算説明資料や決算短信の翻訳の際には必要になってきます。

具体的には、決算短信の定性情報の記載などで、前年度数値と当事業年度の数値の比較を行う文章を翻訳する際でしょうか。例えば、日本語で

当連結会計年度の連結売上収益は200,000百万円(前年同期比6,000百万円、3.3%減)となりました。

という文章があったとしましょう。
おそらく、会計に関する知識がない人が翻訳すると、こんな感じになります。

Consolidated revenue for the current consolidated fiscal year was JPY 200,000 million (JPY 6,000 million down, or 3.3% down year on year).

日本では、連結会計年度という表記が、開示府令などで規定されているため、ほぼどの会社もこのような表記を使用しますが、この英単語、そのままcurrent consolidated fiscal yearと英訳してしまうと、意味は通じるものの、少し変な文章になってしまいます。こういった訳は、外国人にわかりやすく伝えるためには、シンプルでよいのです。例えば

Full year reported consolidated net revenue was 200,000 million yen, a decrease of 6,000 million yen, or 3.3% compared to the prioryear period.

と英訳すると、比較的スッキリした文章になります。また、この場合は、decreaseのあとの前置詞はinではなくて、ofがいいでしょう。

上記は、単純な一例ですが、こういった意訳の積み重ねで、英語で記載された決算短信や決算説明資料の文章は、洗練されたものになっていきます。例にあげたような、「連結会計年度」の英訳をどのように表現するのかといった作業は、ある程度、英文会計に通じた公認会計士でないと対応できないかもしれません。翻訳会社に一概に業務を投げる前に、誰に依頼すべきかどうかについては、慎重に考えたいものです。

(リンク)
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