クリナップ従業員による不正

最近は、この手の従業員不正が多いように思われるので、少し気になった点などのコメントをしていきたいと思います。

当社元従業員による不正行為のお知らせ(クリナップ株式会社)

営業所において特定の取付・設置業者への支払金額が実態よりも過大ではないかとの疑義が生じたため、社内調査を行ったところ、当該従業員が当社製品の取付・設置費用を水増しして、当社に請求させていたとのこと。入金後に水増し相当額を自身の預金口座に送金させて、不正に金銭を受領していた事実が判明。営業所からの業者への依頼は、そのほとんどが当社の取付・設置を担う子会社を解して行われていることから、営業所と子会社によるチェック機能は働いているものの、一部のケースに限り直接依頼することが可能であったことから、チェック機能が働かなかったようです。

以下、私見としては、こういった事例はなかなか発覚しにくいものなのですが、よく社内調査で気づいたなということ(6年間以上は発覚しなかったようですが)。こういう不正は、社内通報により発覚することが多いのですが、そうでなかったら、内部監査人や調査担当者などのセンスが良かったのかなというのが一つあります。おそらく、こういった担当も代替わりで交代になるので、そういったセンスに長けた人に代わったタイミングでわかったというような可能性もあるとはあります。もうひとつ思ったのは、コンプライアンス意識の徹底を図るということですが、それはちょっと難しいのではないかなということ。まあ、研修っていっても、すべての従業員が話を聞くわけではありませんからね…

・内部監査機能を徹底する
・セグリゲーション(業務分掌)機能を設ける
・常に、従業員の行動はコンピュータや優れた管理職に監視されているという意識を持たせる

といったことのほうが重要であると思われます。コンプライアンス研修よりも、常にあなたたちの行動は監視されているといった意識付けをするような研修のほうが効果はあるでしょう。「会社のインターネットで閲覧した内容は、すべてコンピュータによりチェックされていまう」というようなNoticeをするようなことです。Twitterで、不適切な動画や写真を投稿するような件については、研修が大事ですが、従業員不正については、あまり効果がないと考えてよいでしょう。いずれにしても、内部統制の強化というものは、どんな企業にとっても大きな課題といえます。

(リンク)
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