USGAAPベースの財務諸表作成

米国会計基準(US-GAAP)ベースで財務諸表を作成しなけらばならない会社は、以前とくらべて少なくなったような気がします。米国市場でもIFRSによる開示が認められるようになっていますし、(個人的な印象ですが)IFRSは比較的自由度が高い基準なので、日本でも受け入れられやすいことも理由にあるのでしょう。

しかし、近年米国市場で主流となっているSPACによるターゲット企業買収に際し、被買収企業の財務諸表は、原則USGAAP(外国企業はIFRSでの作成可)で作成する必要があることから、やはり米国基準による財務諸表作成を考えている会社もあると思われます。

また、米国で上場している親会社がUS-GAAPを採用している場合、どうしても会計基準を統一させる必要もあるため、日本基準の財務諸表を組み替えるよう求められることが多々あります。

というような状況をふまえると、日本でUS-GAAPで財務諸表を作成しようと考えている会社は

A)米国上場企業の日本子会社
B)米国上場を考えているバイオベンチャーなどの会社

と、おおまかに分けられると思います(米国に直接上場している超大企業はのぞきます)。

A)の米国上場企業の連結子会社がUS-GAAPで財務諸表を作成する場合は、それほど負担がかからない場合もあります。というのも、求められる資料の提出はBS/PLだけということも考えられるからです。連結子会社が、日本でも適用されることになった新収益認識会計基準や、リース会計基準などにも、しっかり対応しているならば、負担もそれほどではないかもしれません。ただ、この場合でも連結パッケージなどで、親会社の注記につながる情報の数値入力などは求められる可能性もあり、ケースバイケースになるのでしょう。

B)の上場準備企業がIFRS財務諸表を作成することになる場合には、必然的にBS/PLのほかCF計算書や連結財務諸表、それから注記なども作成することになります。一番のハードルは、注記開示情報の作成です。この作業はかなり時間がかかり、どこの事務所に作成を依頼してもそこそこの工数がかかるはずです。

米国会計基準(US-GAAP)で財務諸表を作成しなければならない会社は、そう多くないと思われますが、世界経済の中心がアメリカである限り、日本でも一定数そういった会社があるでしょう。そして、米国会計基準や英語での開示資料作成などをサポートする会計事務所は、日本でもそう多くはありません。何かしらございましたら、弊社へのご依頼・お見積りなどご検討いただければ幸いです。

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