進むクライアントの選別/背景に思い上納金負担(エコノミスト)

週刊エコノミスト(2023年2月23日号)

大手監査法人は、近年IT・通信関連費用が著しく増加しています。また、グローバル会計事務所に対して多額のロイヤルティを支払う必要があります。このような間接経費の負担が、監査費用の増加につながっているという週刊エコノミストの記事です。

以下、抜粋。

4大監査法人出身の会計士によれば、「グローバル会計事務所の縛りが最もきついのがEY,比較的緩いのがKPMG(あずさがメンバーファーム)。純然たる看板使用料としてのロイヤルティーが、業務収入の3~5%くらい。このほかに、人事システムだの監査システムだの、グローバル事務所が開発して使えと言ってくるさまざまなツールの開発分担金をとられるので、なんだかんだでグローバル事務所への”上納金”は多いところだと業務収入の1割を超える」という。(以下、中略)グローバル事務所への上納金負担の上昇が、監査法人による過剰スペックのシステム投資を招き、それゆえに収益性の向上が喫緊の課題となっているのではないのか。このため、まっとうな会社が監査難民化するほどの上場会社監査からの苛烈な撤退が起きている可能性はないのか。

以前から話をしていたとおり、大手監査法人のロイヤルティ負担は年々大きくなっています。一部の巨大上場企業の選択肢は、4大監査法人しかないと思われます。しかし、比較的規模の小さい外資系日本子会社が会計監査人を選任する際には、中小の会計事務所を含めて考えるべきです。

ウクライナ危機の影響で、あらゆる物価が上昇している中、監査法人の人件費も上昇傾向にあります。そのような中でロイヤルティ負担が大きくなっており、こういった間接経費がさらに監査費用へ転嫁されることになると、加速度的に大手監査法人の監査費用が増えていっていることもよくわかります。

しかし、こういった監査費用の増加が、比較的規模の小さい会社にとって、耐えきれないレベルの水準に達しつつあるのも事実でしょう。このような悩みを持っている外資系日本子会社のCFOは早急に会計監査人の変更を検討すべきです。海外の親会社が4大監査法人のメンバーファームによる監査を受けているからといって、日本の子会社がそれに追随する必要はまったくないのです。

海外の親会社は、規模の小さい子会社の監査を、大手法人に依頼すべきか、個人の会計士に依頼すべきかなど、あまり気にしていない傾向もあります。むしろ、不確実性が高まっている現代のマーケットにおいて、親会社にとってもコスト削減が最も憂慮すべき問題なのではないでしょうか。親会社の状況を推し量ったうえで、日本の子会社がどのようなアクションをとるのか、日本子会社のCEOやCFOは良く考える必要があります。

(HP)外資系企業の日本子会社の監査業務は日本橋国際会計事務所まで
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