勘定科目の翻訳
海外と比較して、日本は勘定科目の表記にうるさい国だと思います。
私は、一時期、開放的でアバウトな(?)東南アジアの空気に触れてしまったので、こういったことにだいぶアバウトになってしまいましたが、それでもなお、細かい勘定科目の使い方は気になります。
今では、もうほとんど使われなくなりましたが、「営業権」という勘定科目。金融庁の定める「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則(以下、財務諸表等規則)」では、もう認められていません。「のれん」の勘定科目に統一です。会社法上でもそうです。だから、貸借対照表に「営業権」などと表記しているような決算書を見ると、「ああ、これは素人が作ったのだろうな…」と思うわけです。でも、税務申告上は、あまり気にはしないので、税理士の先生は気にしないのでしょうか。
と同じような問題で、英語でもいろいろ気になってしまう勘定科目の使い方はあります。例えば、「Accounts Receivable」。売掛金を意味しますが、これ、Accounts と原則、複数形じゃなければいけないんですね。なぜかというと、単数形だと1件の相手先に対する売上債権と解釈されてしまうから。もちろん、得意先が1件のみであれば、単数形でOKなのでしょうけど、ほとんどの会社は複数の相手先と取引がありますよね。だから、「Accounts Receivable」は複数形でなければいけないのです。
そんなふうに、決算書の翻訳というのは意外と難しいものがあります。例えば、英語の「Acccounts Receivable」を「掛代金」と表記してしまったら、多少経理をかじった人ならおかしいと思いますよね?でも、経理を全く知らない人であれば、こういった訳をしてしまう可能性がある。という観点からは、決算書の翻訳というのは、会計事務所や海外駐在経験のある会計士にまかせるのがベターなのかなとも思います。
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