後を絶たない連結子会社不正

最近の会計不正の事例を見てみると、海外子会社における不正事例が非常に多くなっているような気がします。当然に、親会社経理部門には、組織風土や文化の異なる海外子会社に対する適切な牽制を確保し、会計不正を防止するという役割が求められるのですが、いかんせん英語でのコミュニケーションや距離的な遠隔性もあり、なかなやその役割を果たせていないというのが実情です。

日本企業の海外M&Aはますます加速しており、今後も多くの企業で海外M&Aに資金を振り向ける動きは続くことになると思われます。しかし、日本企業の場合、デューデリジェンスを実施したものの、その後の子会社管理がうまく行っていないケースも見られます。近年では、LIXILグループや日本郵船など名だたる企業において、連結子会社の不正会計問題なども目立っています。コンプライアンス意識や不正に対する考え方が異なる国・地域への投資に関しては、今後も慎重な姿勢が求められるでしょう。

そもそもなぜ海外で不正が起きやすいのかというと、いろいろ理由は考えられますが、モニタリングが機能していなかったり、適切な職務分離(セグリゲーション)や内部統制が整備されていない、また距離的な遠隔性から「ちょっとくらいなら不正をやっても大丈夫だろう」と経営者や従業員が考えてしまうような文化などがそうさせることが考えられます。

しかし、海外の会社で働いた経験のある人間から見ると、やはり日本人のコミュニケーション下手なところも影響しているような気がします。コミニュケーション不足の結果、日本人の管理職が現地従業員からネガティブにとらえられたり、そもそも管理職が子会社で何が行われているか把握すらしていないというような事態になっていることはめずらしくないような気がします。

とはいえ、こういった日本人の人材を雇用するというのは、非常に難しいことです。財務・経理部門として果たすべきミッションを子会社経理部門長に伝える、内部統制に関するグローバルベースのルールやガイドラインを整備する、親会社の企業風土やオペレーションを適切に伝える。弊所では、こういった業務のサポートをさせていただきたいと思っております。クライアント様への貢献の仕方はいろいろとあると思います。1ヶ月といった短期的な期間フルで関与するということも、availability次第で可能ですし、数か月に一度、内部監査の一環として英語に堪能な公認会計士が同行するということも可能です。こういったことにお悩みを抱えている場合には、ぜひ一度、ご相談いただければと思います。

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