英文決算開示強化の方向性

ずいぶん前の新聞記事にはなりますが、日経新聞の記事で東証一部上場企業に英文での決算開示を義務付けるという話がありました。

東証1部企業数絞り込み、3割減も 英文開示も義務化 (日経新聞 2019年3月15日)

記事によると、東証一部で英文開示を実施しているのは約35%とのこと。今後は、一部上場企業の数を少なくしていくとともに、東証一部企業に英文開示を求めることを検討する方向性があるようです。有価証券報告書などを見ると、規模がそれほど大きくない事業会社でも、外国人株主が結構多いということは、めずらしくありません。しかし、65%の会社が英文での決算短信を開示していないようですが、そんな会社の株を買うというのも、なかなかチャレンジングです。海外投資家は、ベンダーである証券会社などから英訳を入手できるかもしれませんが、情報の正確性と迅速性の観点からは、企業側で英文開示情報を作成することが望ましいことは言うまでもありません。さすがに、有価証券報告書を英文で作成するというのはあまり意味はないような気もしますが(∵そもそも、決算日から3か月近くも遅れて開示されるような情報にあまり意味があるとは思えないから)、これからの時代、マザーズ企業ですら、英文での決算開示を検討する必要はあるでしょう。

英文開示は大変です。日本文の決算開示を行う際には、社内のしかるべき会議体で議論して、最終稿を完成させる会社も多いと思います。そういった中で、スピーディーに英文の開示資料を作成するのは、経験者でなくては対応が難しいでしょう。

弊所では、決算開示の翻訳サービスに対応していますが、さすがに直前にお願いされても難しいものがあります。無理のないスケジューリングで決算開示を進めるためにも、何かしらございましたら早めにお問い合わせいただければ幸いです。

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