営業利益の表示(IFRS)
日経新聞で、下記のような記事がありました。
事業利益やコア営業利益… 増える独自の利益指標 (日経新聞 9月19日)
「事業利益」や「コア営業利益」など独自の利益指標を開示する企業が増えているとの話。日本基準では、財務諸表等規則に基づいて、損益計算書の開示を行うことが一般的なので、画一的な表示になる傾向がありますが、国際会計基準(IFRS)を採用する企業では、独自指標を開示する企業が目立つとのこと。
キリンホールディングスは、独自指標として「事業利益(売上収益から売上原価と一般管理費を差し引いて算出)」を開示していますが、IFRS上の営業利益には、固定資産の売却や災害損失などの特殊要因を含んでしまうため、これとは別の経営指標を開示したいという趣旨になると思われます。いわゆる、経常損益や特別損益要因を除いた、日本基準における営業利益に近い概念を表示したいという表れかと思います。
国際基準では独自の利益指標の開示は規制されておらず、開示方法は企業の判断に委ねられている。このため開示にばらつきが出ている。近年では、独自指標を利用する企業が増えているようですが、たしかに「経営者にとって都合の良いものができる(記事引用)」という指摘もあるとおり、企業の実態をより適切に表すことはできるものの、比較可能性に難があるのは事実で、なかなか難しい問題かといえます。
抽象的な会計基準であるIFRSの問題点が浮き彫りになっている事例ともいえるかもしれませんが、将来的にどのような開示に収れんするかどうかは見守りたいところです。
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