書籍紹介(RPAの威力)
RPAの威力(ロボットと共に生きる働き方改革)/ 日経BP社(著者:安部慶喜、金弘潤一郎)
RPAが進展する会計業界において、公認会計士・税理士としてどのようなスタンスで仕事をしていけばよいのか、日々悩まされる状況ですが、読んでいて非常に参考になることが多かったと思われたので紹介します。
RPAの基本的知識についての解説や、RPAを進めることがが適している業務などの情報が充実しているように思われました。個人的には、RPAを連結決算に導入している会社の事例が気になった次第です。すでに、証憑確認から仕訳入力までの流れについては、RPA化が進んでいるような状況ですが、連結決算プロセスへの導入は、そう簡単に進めることはできないだろうと思っていたのですよね。書籍の中の事例ですが、帝人フロンティアでは、すでに連結決算へのRPAの応用が進められているようであり、世の中のRPA化の流れは相当に早いなと感じた次第です。
また、意外であったのは、システムの導入よりも安価でRPA化が進められるといった点。なぜ、そういった低額投資での実行が可能になるのかわかりませんが、それが本当に事実であれば、どんどん中堅企業にも導入が進んでいくはずで、世の中の会計業務にも大きな変革がもたらされるのではと思った次第です。とはいえ、効率化により得られた余剰労力や時間の使い方に関しては、難しいでしょうね。高付加価値業務やイノベーションをもたらすようなアイデア創出が可能との見方もされていますが、これから経理人材のリストラは進んでいくだろうな…と思った次第です。