会社法改正案 閣議決定

会社法改正案を閣議決定 政府、社外取締役設置を義務化 (日経)

主な改正論点は、以下のとおり

・社外取締役
上場企業の社外取締役設置を義務化。すでに、コーポレート・ガバナンス・コードの制定により、かなりの上場企業が社外取締役を置いていますが、これを法的に追認する動き。

・株主総会招集通知等の提供
総会資料をインターネット上で提供可能に。招集通知の印刷コストを減らせるほか、内容も充実できるとのこと。株主サイドからすれば、郵送されるほうがよいという人もいるでしょうが、ペーパレス化の流れを考えれば、当然の施策かと思われます。

・株主提案権
総会での株主提案権を巡っては、一方的な提案が多すぎて進行が滞る例も相次ぐための改正。目新しいところでは、野村ホールディングスが2012年、1人の株主から「社名を野菜ホールディングスに変更する」などの株主提案を受けた件が思い出されますが、改正案では、1人の株主が提起できる議案数に10の上限を設けるとのこと。内容にも制約を設け、会社に関係する特定の人を侮辱したり、総会運営を妨げたりするような提案は規制される方針。

・役員報酬
取締役会で個別の報酬内容の決め方を定め、株主総会で説明するようにする。これまでは、株主総会で全員の報酬総額の最高限度を定め、それぞれの取締役への配分は代表取締役が決めることなどが一般的だったが、日産自動車の件などもあり、役員報酬決定プロセスの透明化が図られる模様。今回の法改正では、取締役それぞれの報酬額の開示は見送られたものの、個別の報酬種類ごとの比率や業績連動報酬の有無などの開示は進む見通し。

・役員損害賠償
役員が賠償責任を負った場合、弁護士費用や賠償金を企業が補償できることを明確にされる。会社補償で弁護士費用が払えるようになれば国際的な人材を確保しやすくなる」との評価とともに、独立取締役の業務にリスクがなくなることを意味する。

・親子会社再編の株式交付制度
M&A(合併・買収)の手法に「株式交付制度」が加わり、株式を100%もつ完全子会社にしない場合でも、他社を買い取るときに自社株を使えるようになる。