財務諸表英訳のポイント(2)

流動資産/その他流動資産
→Current assets/Other current assets 

流動資産として計上される項目は、現金・売掛金から棚卸資産まで、多岐にわたりますよね。だから一つではありません。複数形になります。同様の理由で、その他流動資産として計上されるものも、未収入金から前払費用までいろいろです。だから、一般的には複数形です。

貸付金
→Loan Receivables

貸付金に関しても、同様の理由で、ほぼ複数形での表記になります。しかし、理論的には単一の相手先に対して、ひとつの金銭貸借消費契約しか締結されていない場合には、単数形の表記もありえます。

未収収益
→Accrued income

incomeは不加算名詞のため、未収収益を英語表記する場合には単数形になります。この辺りは理屈ではないですね。後日、損益計算書の表記についても解説する予定ですが、Net income(当期純利益)、Financial Income(金融収益)などの表記も、sはつきません。

固定資産
→Fixed assets

固定資産として計上される項目は、長期貸付金から建物・備品に至るまで多岐にわたるため、複数形になります。

有形固定資産
→Property, plant and equipment

長ったらしいので、PPEと言われる勘定科目です。会計人にとって、PPEは常識的な3文字英単語なので、知らない人は覚えましょう。なお、この3つの単語は、すべて単数表記になります。理論的には、複数表記もあり得るとは思うのですが、単数形です。この辺りが、非常にややこしいんですよね。英文財務諸表翻訳は。でも、こういったことをしっかり対応していないと、英文財務諸表の読み手は、「あ、この翻訳した人、会計のプロじゃないな」とすぐにわかります。上場企業の担当者が、翻訳を依頼する際には、気をつけましょう。

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