中堅監査法人に再編の波

中堅監査法人に再編の波 アーク、近畿第一と合併へ (日経)

個人的には、アーク・近畿第一という中堅監査法人の中でも下に位置する(若干失礼な言い方ですが)法人の合併が日経新聞のニュースになったことに驚きました。

(以下、記事内容)

中堅の監査法人に再編の波が押し寄せている。アーク監査法人(東京・新宿)は近畿第一監査法人(大阪市)と合併することを決めた。相互の拠点網を生かし監査体制を拡充する。上場企業が監査法人を大手から切り替える際に受け皿となれるよう、規模拡大を急ぐ。(中略)事務所が都内と浜松市にあるアークと、近畿地方が地盤の近畿第一は地域的に補完関係にある。既存顧客の監査効率化や新規顧客の開拓につなげる。

15年に発覚した東芝の不正会計問題をきっかけに監査の手間は従来よりも増えた。監査報酬が折り合えず上場企業が大手監査法人と契約更改しない事例は増えている。企業とのなれ合いを防ぐため定期的な監査法人の交代を義務付ける「ローテーション」制度の導入に向けた議論もある。監査拠点や人員が限られたままでは、グローバル企業の監査は容易でない。アークの三浦昭彦理事長は「生き残るためには規模の拡大が欠かせない」と話す。

中規模上位圏の太陽と優成、中規模中堅の双研社と日栄がそれぞれ合併しており、合従連衡の動きは今後も続きそうだとのことですが、中規模圏では、そうした動きをしていかないと、グローバル企業の監査や大企業の監査案件受注はできないでしょう。中堅監査法人でのグローバル人材の欠如は、目に余るものがあります。このレベルの監査法人である場合、当然にグローバルファームとのパートナーシップを締結しているところが多いですが、海外のファームとやりとりできる人材は、せいぜい2~3人くらいしかいないのではないでしょうか。

外資系企業の財務経理責任者は、準大手の監査法人への業務委託などを考えている方も多いと思いますが、実際に対応できるかどうかという意味では慎重に判断する必要があるでしょう。リファードワークのような業務であるならば、中堅監査法人と個人事務所でもそれほどクオリティに差異はないとも思われます。

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