米国会計基準(US-GAAP)の規定を調べるには

米国会計基準(以下、US-GAAP)の基準書を読みたいと思う方は、米国上場している日本企業の経理担当者、米国上場企業の日本子会社経理担当、さらにはそういう会社の担当になっている公認会計士、もしくはNASDAQ上場をめざしているベンチャー企業の担当者くらいなものでしょうか。いずれにしても、会計業界の中でもかなりめずらしい部類の仕事をしている方なのだと思われます。

しかし、近年では米国市場においてSPAC上場をはじめとした短期間での資金調達が可能なスキームが主流になっていることもあり、米国上場を考える日本企業もちらほら聞くようになってきました。そのためには、米国会計基準ベースの財務諸表を作成しなくてはいけない。そして、米国の会計ルールの原文を読む必要がある。けれども、インターネットで、いくら検索してもUS-GAAPのルールは引っかからない。

日本基準は、企業会計基準委員会が公表している会計基準のPDFを簡単に検索することができるのに、US-GAAPは専門用語をいくら入力したところでGoogle検索で出てこない。そうです。米国会計基準は、アメリカのFASB(財務会計基準審議会)が万全のガードをしているからなのか、英語の原文でさえもインターネットで入手することは不可能です(入手手段はあるのかもしれませんが、私は知りません)。

ここではFASBのサイトで基準書を読む方法について説明します。まず、FASBのAccounting CodificationのMenuについて。

https://www.fasb.org/store/subscriptions/fasb/registered

上記のURLをクリックしていただければわかると思いますが、Professional ViewとBasic Viewの2つがあります。Basic ViewについてはFree Acessと書いてあるように、無料で閲覧することができます。下記のI’m not a robotをクリックして、アクセスすればOK。

Basic Viewでは、条文の内容を確認すること(いわゆるBrowsing by Topic)や、過去の改訂状況などを確認すること(いわゆるidentify the location of legacy standards)はできます。ですので、単純に条文を読みたいだけであれば、このBasic ViewだけでOK。しかし、このBasic View。使ってみると、すぐにわかりますが超不便です。具体的には

  • コピー(Ctrl+C)&ペースト(Ctrl+V)ができない
  • 語句で検索(Ctrl+F)をすることができない
  • 印刷(Ctrl+P)ができない

私のようなコンサルタントが使ううえで、一番不便なのはコピペできないことでしょうか。英語の条文をメールに書くだけでも一苦労…。印刷できないのも億劫。Snipping Toolなどを使えば、数行の条文などはペーストすることはできるものの、そんなことかったるくてやってられない。ということで、私は有料メニュー(Professional View)を使うことにしましたが…

利用料金は1197ドル(約135,000円)です。FASBはいい商売していますね。いくら仕事で利用するからとはいえ、1197ドルを支払うのは勇気が必要です。さすがに、弊社では有料でProfessional ViewのEditionを利用してますが。

ということもあり、米国会計基準ベースで財務諸表を作成する作業は、思いのほか手間や時間だけでなく、お金までかかってしまいがちです。こういった作業は、実務経験豊富なコンサルタントなどにまかせてしまうというのが、やはり手っ取り早いのではないでしょうか。

(HP)IFRS/US-GAAPの財務諸表/目論見書作成は、日本橋国際会計事務所

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