中小企業が多すぎる日本
非常におもしろい記事を読んだので、紹介。
海外でも仕事をしたことのある私ですが、日本人の生産性って確かにそれほど低くはないと思うんですよ。勤勉だし、業務のクオリティーをとことんまでに追求する姿勢は世界一と言ってよい。だから、日本人の生産性が低いという議論があることに関しては、自分自身も疑念を抱いていたんですよね。それに対する明確な回答を、筆者はしていると思います。100%同意。
税理士として仕事をしていると、やはり日本には中小企業が多いと感じます。中小企業が多いのは、構わないのです。不思議なのは、あまり大きくしたがらないこと。いや、不思議ではないかな。公認会計士や税理士も、わざわざ事務所を大きくしようとする人は少ないですからね。何しろ、中小企業は税制面での優遇措置が手厚いし、大きくしてしまうと、苦労も多いし、おまけにコストも増える。そういった政策的なものが、中小企業の大企業化を阻んでおり、結果として有給休暇の取得率を下げているというのが、当該記事の筆者の考え。いやー、鋭い洞察だなと。
個人事業主なんてやっていると、まとまった休みとれなくなりますからね。2週間の休みをとっているラーメン屋の店主なんて皆無でしょう。生産性やライフワークバランスを改善するためには、中小企業から脱することを考えることが必要なんです。しかし、中小企業ってなんだかんだ言って、優遇措置などもあり恵まれている。ぬるま湯なんですよね。
働き方改革なんて言っていますが、うまく機能している事例をあまり知りません。中小企業ではなおさらです。従業員に仕事をふることができないので、結局、外部企業やフリーランスの事業者への外注が増える結果となってしまい、コストも増えているなんて話もあるかもしれません。まあ、個人的には、こういった案件を、会計事務所として受けられるようになれば、私としては御の字ですが。という連鎖で、会計事務所の生産性はなかなか向上していかないのでしょうね…